祈るような

文と写真:碇本学

寝起きの色彩が舞いだしてくる
光のハレーション
まっすぐに見つめてはいけない
水辺の近くにはいつも鳥がいる
様々な種類のくちばしと羽たち
ひゅるり
と角度を変えて
夜を連れてくる
朝が来るまで
鳥たちは休んでいる
光の方へ飛んでいくのはヒリヒリしてしまう
重力から解き放たれて
先鋭的な飛行方法
寝ているときはずっと水の中に漂う夢を見ている
ゆっくりと水中に潜っていく
そこには速さはなく
ただ祈るような速度で落ちていく
闇に落ちていくと光の気泡が
上へ上へ
朝日が差してきてその夢が終わる
目が覚めて
光よりも先に空に舞う
ゆっくりと
祈るような速度で