たたたゆるる

文と写真:碇本学

秋の空をくるくると回って
たまゆらった たたたゆるる
ふんわりと髪の毛踊っていたあの子
細い腕が白くて
回り続ける世界で
夜になると見えなくなっても
続いてくそれぞれのシステム
道しるべが欲しいのです
落とした紙くずはやって来た場所への印だったけど
風で簡単に飛ばされてしまうから
ビニール袋が舞う夕暮れに
たくさんの観光客の異国の言葉
何か黄昏に迷い込んでいるみたい
居場所なんかないんだから
知らない言葉のリズムが弾けて
どこだって歩いていける
たたたゆるる
リズムと景色が色彩を放つ
思いがけないものたちすべてに